1. バスクの道 Camino Vasco del Interior

バスクの道Camino Vasco del Interiorはフランスとの国境の街イルンIrúnからフランス人の道のサント・ドミンゴ・デ・カルサーダSaint Dominogo de la Calzadaまでのルートとして紹介されています。しかしローマ時代からの交易路としてカスティージャCastillaの主要であるブルゴスBurgosまで歩く人が多かったと思われます。現在でもビトリア・ガステイスVitoria -GasteizからブルゴスBurgosまでの区間には聖母教会(Ermitas de la Virgen del Camino)やローマ時代の交易路の遺跡が残されています。
バスクの道Camino Vasco Interiorは2005年頃から巡礼路沿いの友の会によって整備されバスクの山々のハイキングコースと共に歩かれる様になりました。バスク地方は文化、美食及び風景に魅力ある地域で人気があります。
この巡礼路のハイライトは世界遺産に登録されている聖アドリアン・トンネル(Túnel de San Adrián)です。標高1000mの岩壁に長さ150mものトンネルが掘られており、中世に交易やイスラム侵攻防衛の主要拠点として利用されたとの事でこの道の歴史的な意義を感じます。
途中のビトリア・ガステイスVitoria -Gasteizはバスク州の州都で街路樹や緑地も多く欧州グリーン首都に指定された美しい街で静かな巡礼路歩きが楽しめます。
Irúnからサント・ドミンゴ・デ・カルサーダSaint Dominogo de la Calzadaまでの203km、ブルゴスBrugosまでは252Kmです。
このルートはフランス北部から(特にパリの道)からフランス人の道へ至るルートとして現在でも多くの巡礼者が利用しておりバスクの地方色を味わえるルートでした。

2. 巡礼路の概要

(1)イルンIrúnからビトリア・ガステイスVitoria -Gasteiz
イルンIrúnの駅前からジプスコア通り(Avenida Gipzkoa)ヘ歩くと道路上にCaminoの標識かあり、ここから住宅街の坂を登っていくとやがてサン・セバスティアンSan Sebastianの街並みが見えてやがてオイアルツンOiartzunの村に着きます。さらにアップダウンのある林道を歩くとエルナニHernaniの町が眼下に見えて下りになりエルナニHernaniのアルベルゲ(Arbergue Astigarraga)の前へ出ます。
ここからパンプローナPamplonaからサン・セバスティアンSan Sebastianまでの鉄道跡に整備された自転車道を歩き川沿いの道をトローサTolosaの街へ向かいます。トローサTolosaからベアサインBeasain間は国道沿いになり歩道も無く危険で注意が必要です。
巡礼路はイディアサバルIdiasabalの村から静かな農道になり山間のセガマZegamaの村に着きます。ここにはでアルベルゲもあり翌日の山歩きの為に早めに就寝が必要です。
セガマZegamaから聖アドリアン・トンネル(Túnel de San Adrián)まで標高差は895mあり村を出るとすぐに急こう配の道になります。ひとしきり高度を稼ぎ展望の良い場所へ出ると別の方向から登ってくる農道と交差してサンチ・スピリッツ僧院Ermita de Sancti Spiritsの建物がある場所へ着き、ここからは前方に岸壁が見渡せます。
牧場の快適な道を歩くと20分程度で聖アドリアン・トンネル(Túnel de San Adrián)へ着きます。かつてはこの場所で通過する交易商人から通行税を徴収していたとの事ですがトンネル内部の高さは約3m、長さ150mでこの岩峰にトンネルを掘った先人の努力が偲ばれます。
この付近は幾つかのハイキングルートが交差している為か道標に注意して下りサルドゥオンドZalduondoの村まで来るとバルもあり一息つくことが出来ます。村から約2時間でサルバティアエラ/アグラインSalvatierra Agurainです。サルバティアエラ/アグラインSalvatierra Agurainからビトリア・ガステイスVitoria -Gasteizまではアップダウンの少ない農道の道ですが途中にはロマネスク様式の教会(Ermita Nuestra Señora de Alaya、Ermita de San Juan de Arrarain)があり楽しめます。
ビトリア・ガステイスVitoria -Gasteizはバスク州の州都でスペイン広場の周りにはサン・ミゲル教会(Igresia San Migel)があり市内に街路樹、緑地も多く欧州グリーン首都となっている美しい街です。

聖アドリアン・トンネル ビトリア・ガステイスのスペイン広場

(2)ビトリア・ガステイスVitoria -GasteizからブルゴスBrugos
ビトリア・ガステイスVitoria -Gasteizの街路樹に見送られて2時間程度歩くとサブリナ・デ・アラバSablina de Alavaの村で小さな村ですが立派な教会(Igresia de San Esteban)が立っています。村を出るとやや登りの山道になりアカマツやオークの林になってバスク州からカスティージャ・イ・レオン州に入ります。坂を下ってプルエバ・デ・アルガソンPuebla de Argozónの村までくればアルベルゲがあります。プルエバ・デ・アルガソンPuebla de Argozónから6Km程度歩くとエスタビジョEstivalloの村でこの村を出た所でサント・ドミンゴ・デ・カルサーダSaint Dominogo de la Calzadaへ向かう巡礼路の分岐があります。この付近はまたバスク州で道路沿いを歩いて河(Rio Zadorra)の橋で再びカスティージャ・レオン(Castilla y Leon)州の看板がありエブロ河(Rio Ebro)沿いのミランダ・デ・エルボMiranda de Erboの街へ着きます。
ミランダ・デ・エルボMiranda de ErboからアメユゴAmeyugo村まで来るとオロンチジョ河(Rio Oronchillo)沿いの渓谷の巡礼路になり両岸の岸壁が見事です。公園の様な林間に小さな僧院Ermitas de la Virgen del Camino y del Santo Cristoの建物を見てパンコルボPancorboの村に着きます。この村は渓谷の通過を支配する要塞として9世紀に建設されましたが、村の入り口にはサンチアゴ教会(Igresia de Santiago)が建ち後ろの岩山にはパンコルボ城(Castillo Pancorbo)の遺跡が残り静かな美しい村です。
ここからブリビエスカBriviescaまでは単調なアップダウンの少ない個所ですが標識も少なく巡礼路が分かり難い区間です。
ブリビエスカBriviescaから線路と国道(N-1)に沿った道を歩きますが比較的静かでモナステリオ・デ・ロディジャーMonasterio de Rodillaを過ぎるとやがて広々とした平原に出て”Via de Itaria”の看板がありここがローマ帝国時代の交易路であったとの看板があります。やがて巡礼路は賑やかなブルゴスBurgosの市街地に入り静かなバスクの道Camino Vascoの巡礼路も終点です。

アメユゴ村のサンティアゴ教会 バスクの道の道標

バスクの道Camino Vascoの地図

出展:Camino Vasco del Interior http://www.xacobeo.fr/ZE3.03.Vasco.htm

標高図 :

出展:Editorial Buen Camino    https://www.editorialbuencamino.com/caminodesantiago/9/camino-vasco-del-interior

3.宿泊設備、交通事情

(1)宿泊設備
宿泊設備は下記のサイトに記載されています。
EROSKI CONSMER     Gronze.com   Mundicamino

(2)交通事情
出発地のイルンIrúnはパリから列車でバイヨンヌBayonne、アンダイエHendaye経由で来るかマドリードMadridからの列車で来る事が出来ます。

3.歩いた行程表

私が歩いた行程表です。<PDF>

4. 巡礼路の全体的な印象

(1)緑豊かな山バスクを楽しめるルート
初日のイルンIrúnからエルナーニHernani間は比較的アップダウンの多い区間ですがその後、セガマZegamaまではオリア川(Oria Ibala)沿いの道となり廃線跡の歩道・自転車道や鉄道線路脇を歩きますがトローサ(Tolosa)からベアサイン(Beasain)間は工業地帯で歩道の無い国道を多く歩くためこの区間はお勧めではありません。
セガマZegamaからサルバティアエラ-アグラインSalvatierra-Agurain間は標高差約895m、26Kmの厳しい区間ですがサン・アドリアン・トンネル(Túnel de San Adrián)を通るハイライト区間です。ビトリア・ガステイスVitoria-GasteisからブルゴスBurgosも比較的緑の多い静かな巡礼路歩きを楽しめます。
(2)巡礼路の標識、アルベルゲ(Albergue)は完備している
イルンIrúnからブルゴスBurgosまでルートの標識は問題なく設置されていますが、スペイン国内のハイキングコース(GR)も並行したり交差する事もあり注意が必要です。
アルベルゲは各区間に公営(Municipal)のアルベルゲがあり問題ありません。特にビトリア・ガステイスVitoria-GasteisからブルゴスBurgos間のアルベルゲは収容人員は10人程度ですがいずれも清潔で素晴らしい設備のアルベルゲでした。
(3)アルベルゲ(Albergue)にホスピタレロが常駐していない
途中のアルベルゲはホスピタレロが常駐しておらず、ほとんどは役場(Ayutamiento)やバルから鍵を借りて利用する事からある程度のスペイン語コミュニケーションが必要です。

5. ガイドブック

バスクの道Camino Vascoは現在販売中の適当なガイドブックがありません。下記のサイトでPDFで公開していますので利用して下さい。またEROSKI、Gronz.com等のサイトを参照して下さい。

   ダウンロードサイト:
Camino Vasco Interior de Irún a Sant Domingo de la Carzada
下記のガイドブックは現在品切れ中です。

書名 :Le chemin intérieur (Via de Bayona) par le tunnel de San Adrian : De Irun à Burgos
著者 :Gérard Rousse 4e édition (30 juillet 2012)
出版社:Broche
ISBN: 978-2952870672
価格 - :